音楽家と身体能力 その2

  • 2018.09.09 Sunday
  • 09:06

JUGEMテーマ:音楽教室

 

 

〜前回の続きです〜

 

音楽的に遺伝的影響が大きいと考えられるのは、歌手の声帯と金管楽器奏者の唇の形状です。

どちらも交換できず、トレーニングを積んだから、自分が理想とする形状に近づくということもなく、もし形を変えるとしたら整形手術以外に方法はありません。

歌手の中には永英明さんやデイヴィッド・カヴァデールのように、ポリープ除去手術を行った前後で明らかな声質の変化が現れるケースは少なくないです。

(気になる方は永英明さんのアルバム、『Nostalgia』と『太陽の少年』を買って、声質を比べてみて下さい)

 

ただどちらもバスケットボールにおける身長のように、声帯が長ければ長いほど良い、唇が厚ければ厚いほど良いというものでもなく、声質、音質は全くの個性です。

隣の芝生は青いと感じてしまう人も多いようですが、どのような形状でも生まれ持った才能を活かすと捉えれば、遺伝的な能力の優劣に差があるとは決して言えません。

 

唯一、差が出てしまいがちなのは手の大きさで、弦楽器、鍵盤楽器では手が大きいほど有利な場合もあります。

手が大きければ楽に演奏できるフレーズも、手が小さいと指を目一杯伸ばして演奏しないといけないということもあります。

しかしピアノやギターの演奏家は指の関節が柔らかく、楽器未経験者よりも手を広げた時の横幅はずっと広くなっています。

このフィンガーストレッチができれば、基本的な奏法や、定番とされる楽曲では、さほど手の大きさは関係なく、大抵は問題ありません。

 

ただ手の非常に大きい演奏家が作った楽曲の中には、作曲家の意図通りに弾くには、その手の大きさが必須である場合もあります。

ピアニストで作曲家のラフマニノフは身長が198cmであったとされ、もちろん非常に手も大きかったと言われています。

ですので彼の作曲したピアノ曲は手の小さい子供や女性には、非常に弾きづらいと言われます。

またギタリストのアラン・ホールズワースは190cmを超える長身で、非常に大きい手の持ち主でした。

彼のフレーズを弾きたいと思っても、物理的に無理な場合が多々あります。

 

ただ手の大きさが原因で物理的に演奏できない曲があったとしても、他の世の中の99%の曲は演奏できるわけですから、手の大きさが致命的なデメリットになるとは考えられません。

実際にベートーヴェンは162cm、ショパンは170cmと現代人から見ると、決して大柄とは言えませんが、自身の手のサイズに合った非常に優れたピアノ曲を残しています。

ギタリストのエディ・ヴァンヘイレンは、アランホールズワースのフレーズを何とかして弾けないか研究を重ね、右手で押弦するライトハンド奏法を編み出しました。

今ではライトハンド奏法は広く知れ渡り、手の小さいギタリストのための演奏という括りではなく、ギターの可能性を広げ、ギター演奏の歴史そのものを覆す革命的奏法となりました。

 

このように手がさほど大きくないからといって、演奏を諦めてしまうのはナンセンスです。

ただフィンガーストレッチが必要となる楽曲の練習で、指を痛めてしまうということはあるので、痛みを感じたらすぐに演奏を中止するなど、指のケアは非常に大事です。

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